Hamarimono

そのときそのときのマイブームなど。

絵本「トマトさん」の感想

 トマトが大好きで、毎晩トマトを食べています。

 夏らしい絵本が読みたいなぁと思ったとき、たまたま思い出したこの「トマトさん」。トマトが大好きだし、きっと楽しく読めるはず....と数年ぶりに図書館で借りて読んでみました(以前は図書館で立ち読み)。

トマトさん

  • 作: 田中 清代
  • 絵: 田中 清代
  • 出版社: 福音館書店
  • 読み聞かせ時間: 5分

トマトさん (こどものとも傑作集)


 このインパクトがありすぎる表紙の絵だとユーモラスでナンセンスお笑い系のお話を想像するかもしれませんが、これがいい具合に予想を裏切ってくれます。

 ある夏の昼下がり、まっ赤に熟れたトマトさんがトマトの木から落ちてしまいました....から始まるストーリー。

 暑くて暑くてたまらないトマトさん。すると小川の音が聞こえてきました。「ころころ ぽっちゃん」と木から落ちたミニトマトたちが小川に転がって落ちていく音でした。ミニトマトたちはとても気持ちよさそう。とても羨ましいトマトさんですが、自分ひとりでは転がることができません。

 そこへトカゲたちが通りかかり、「暑いね。トマトさんも泳いだら」と声をかけられますが、「ぷかぷか泳ぐのなんかみっともないわ!」と意地をはってしまいます。ひとりぼっちになったトマトさん。照りつける太陽がどんどん熱くなってきました。

 とうとうトマトさんは「私も泳ぎに行きたいよう。だけど、体が重いんだ。ミニトマトみたいに転がっていけないんだよう」と泣き出してしまいました。

 さて、そんなトマトさんはどうなったでしょうか?

 トマトさんの表情が豊かすぎて、どんどんお話に引き込まれていきます。このあとが最大の物語の盛り上がりですが、それは是非絵本を読んで堪能してください。とにかく、トマトさんの表情が豊か!それにつきます(^^)

 真夏の暑い日に読むと清々しい気持ちになりますし、氷水にトマトを浮かばせて、少し冷えたところで「がぶり」とトマトにかじりつきたくなります。

 作者の田中 清代さんが絵作者として出版している「ひみつのカレーライス」も読み聞かせしたことがありますが、ストーリーがしっかりしていて面白かったです。こちらもまた読み終わるとカレーライスが食べたくなります。



ひみつのカレーライス