Hamarimono

そのときそのときのマイブームなど。

毎年子どもの日恒例「産経児童出版文化賞」

 本日「子どもの日」。

 わが家で購読している産経新聞紙面にて「第63回産経児童出版文化賞」の受賞作品一覧を見ました。

 ちょっとマニアック好みの児童書が受賞するので、意外と楽しみにしています。少し調べてみました。

 


 産経児童出版文化賞(さんけいじどうしゅっぱんぶんかしょう)は、学校図書法の施行にあわせて1954年(昭和29年)に産業経済新聞社が創設した賞で、児童文学の賞の一つ。

 同社主催のもと、次世代を担う子供たちに優れた本を与える目的で制定された。現在の後援はフジテレビジョンニッポン放送で、JRグループ[1]が協賛、協力は東京都飯田橋にあるホテルメトロポリタンエドモント

 

概要

 対象作品は前年の1月1日から12月31日までの1年間に日本国内において出版されたすべての児童書籍の中から、選考委員の審査を経て選ばれる。受賞作は毎年5月5日のこどもの日に発表、贈賞式は5月末か6月初頭にホテルメトロポリタンエドモントにて行われ、文仁親王妃紀子が臨席する。

 毎年の受賞は最優秀賞ともいえる大賞のほかに各部門賞があり、部門名や受賞作品数は後援や協賛の違いなどにより異なる年もある。選考委員は川端有子、宮川健郎、落合恵子、さくまゆみこ、木下勇、張替惠子など。

 2007年、受賞基準が一部改定された。それまで海外児童書の翻訳本についても大賞と各部門賞の作品選考対象であったが、受賞作に翻訳本が多いことから、日本人または日本国内に居住する原作者の本のみを対象とするよう改定され、新たに翻訳作品賞が設けられるようになった。

 また、この改定に伴い、大賞とJR賞に次ぐ受賞であった「賞」部門は「産経新聞社賞」へ変更となり、受賞作品数もそれまでの5点から1点に変更されている。このほか、受賞作とは別に推薦作品10点が選ばれていたが、この改定後から選考休止となっている。

 

 なお、今年度の受賞作品は以下のとおり。

 

第63回産経児童出版文化賞 受賞作一覧(2016年)

絵本表紙・詳細 産経新聞書評
大賞
築地市場: 絵でみる魚市場の一日 (絵本地球ライブラリー)

築地市場 絵でみる魚市場の一日
作・絵: モリナガ・ヨウ
出版社: 小峰書店
 世界最大の魚市場として名高い東京・築地市場。人も魚も所狭しとひしめくこの場所を丹念に取材し、コメントを交えて細部までみっちりと描き込んだイラストルポだ。

 「いろんな現場を見てきましたが、こんな異様な場所は経験したことがありません。まず何が何だか分からない、というのが第一印象でした」

 広大な市場には1日約4万2000人が入場し、仲卸の店だけでも600軒を超える。(以下略)

JR賞
理科好きな子に育つ ふしぎのお話365: 見てみよう、やってみよう、さわってみよう 体験型読み聞かせブック

ふしぎのお話365
監修: 自然史学会連合
出版社: 誠文堂新光社
 まず、この厚さ、情報量でこの価格に驚く。本を開くと各ページの見出しの問いかけにぐぐっと目が吸い寄せられ、中身を読み出すと知らなかった事に「へえー」と驚き、またちょっと利口になったような気分になって大人も引き込まれる。そんなふうに親子で1日1話を読み、それをネタに家庭で話が弾んで理科好きになってほしいという意図でつくられた本である。そのためあえて索引を設けず、いままで出会えなかった興味深い事象を知るチャンスが広がることを期待してつくられている。(以下略)

美術賞
宮沢賢治「旭川。」より

宮沢賢治旭川。」より
作: あべ 弘士
出版社: BL出版
 宮沢賢治の「旭川。」という詩を基にして、そのエッセンスを生かしながら、言葉を紡ぎ、絵で表現した絵本。

 賢治の詩が内包するさわやかさや軽やかさを、みごとに表現している。動物中心の絵本を数多く出してきた作者だが、この絵本の主人公は、帽子をかぶって馬車に乗る賢治。しかし、その周囲には動物も登場し、馬ばかりでなく大きな蝶やフクロウやオオジシギが随所に登場している。(以下略)

産経新聞社賞
すぐそこに、カヤネズミ―身近にくらす野生動物を守る方法 (くもんジュニアサイエンス)

すぐそこに、カヤネズミ
著: 畠 佐代子
出版社: くもん出版
※ 児童書
 カヤネズミは、大人の親指くらいの大きさ、重さは五百円玉ほどの小さなネズミ。カヤ(背の高いイネ科の植物の仲間)などの葉を器用にからめて球状の巣を作る。北海道と沖縄を除く各地の草むらに生息しているが、めったに気付かないし、草地の減少や環境の悪化により絶滅危惧種になりつつあるという。

 文学部を卒業したが、大学院で理系に転じた著者が、カヤネズミの研究を写真やイラストを交え、親しみやすく紹介する科学読み物。巣作りや子育ての様子、カヤ原の変遷などが、野外観察の臨場感とともに描かれる。(以下略)

フジテレビ賞
あの花火は消えない

あの花火は消えない
著: 森島 いずみ
絵: 丹地陽子
出版社: 偕成社
※ 児童書
 かあさんが入院して、「あたし」は、5年生の新学期から、かあさんの実家ですごす。そこは、日本海若狭湾に面した小さな町だ。

 しばらくして、町はずれの施設から、家のはなれに、ぱんちゃんが引っ越してくる。ぱんちゃんは、もう25歳だが、空中にビー玉を高くほうりあげ、ビー玉がてのひらに戻ってくるまでのわずかな時間に、ぱんぱんぱん…、何回手をたたけるか、それに熱中している。

 ぱんちゃんは、絵を描くのがうまい。転校した学校になじめない「あたし」も、絵に心のよりどころを見いだすようになる。(以下略)

ニッポン放送
トンネルの森 1945

トンネルの森1945
著: 角野 栄子
出版社: KADOKAWA
※ 児童書
 東京の空襲がはげしくなって、国民学校4年生のイコは、継母の光子さん、弟のヒロシとともに疎開して、大きな森のそばの家で暮らしはじめる。新しい学校へは、「闇森」と呼ばれる森のトンネルを抜けて行かなければならない。森は、ずいぶんと暗く陰気な場所だけれど、イコは、森にあいさつをして、歌をうたう。イコ自身が死に近いところで生きているのだ。

 漢字にルビの少ない、子供には読みづらい本文ではないかと思う。「こんなご時世だから」という大人たち、食べ物や着る物のこと…それでも、戦時下の少女が語ることばは、現代の子供たちにたしかに届く。(以下略)

翻訳作品賞
いもうとガイドブック

いもうとガイドブック
文: ポーラ・メトカーフ
絵: スザンヌ・バートン
訳: 福本 友美子
出版社: 少年写真新聞社
 姉から見た妹を描いた絵本。兄弟や姉妹について描いた絵本はたくさんあるが、その多くは年上の子供が年下の子供に親をとられたように感じて複雑な気持ちを抱く様子を表現している。この絵本にもその要素はあるが、それだけではないのがおもしろいところ。

 絵も軽妙でゆかいだが、それ以上にユーモアにあふれた文章が楽しく、クスッと笑わせてくれる。

 このくらいの年齢の姉妹なら似たような経験をしたことがあるはずで、それぞれの体験と重ね合わせて読めば、実際の兄弟姉妹関係にも余裕が生まれるのではないだろうか。(以下略)

テンプル・グランディン―自閉症と生きる

テンプル・グランディン 自閉症と生きる
作:サイ・モンゴメリー
訳:杉本詠美
出版社:汐文社
※ 児童書
 1947年、米マサチューセッツ州に生まれたテンプルは、笑いもしなければ、抱っこもいや、よく癇癪(かんしゃく)を起こす女の子だった。
 3歳で自閉症と診断。母親は彼女に普通教育を施すことを願うが、中学校で退学処分に。だが障害児に配慮した寄宿学校への転校を機に、その才能が開花する。
 羊小屋や厩舎(きゅうしゃ)まで備えたこの学校で牧場の仕事に出会ったテンプルは、鋭敏な感受性を生かし、牛が予防注射を受ける時の恐怖を緩和する装置を発明。大学で家畜の行動を研究した後、動物に優しい牧畜施設の設計者として活躍する。今では米国とカナダの肉牛の半数は、彼女の設計した施設で飼育されているという。(以下略)

 

 読みたい本もいくつかあります。

 また機会があったら、過去に遡って紹介したいと思います。