Hamarimono

そのときそのときのマイブームなど。

Adeleの「Hello」に出てくる携帯電話

 最近、すごく聴いていてグッときた歌と言えば、英国の歌姫ことAdeleの「Hello」。

 別れた恋人を思って何度も電話をかけてみるのだけれど、相手にはつながらない。傷つけてしまったこと、本当にごめんなさい。いまはどうしているの?....みたいな心情を歌った歌詞の和訳版を読んで、よりこのミュージックビデオの世界観が理解できぐっときました。




 ところで、ミュージックビデオの冒頭に出てくる、携帯電話。

 最初「あれ?なんでガラケー?」なんて思ったのですが、逆にガラケーを折りたたんで電話を切る....っていう動作がかえって新鮮で個人的にはすごく良かったです。逆に、これがスマホだったら....電話を切るところなんて見なかったでしょうし。

 だからこそ、その後の家の中での家電で話をする場面が引き立つのだろうし(たぶん、スマホだったら家でもスマホですよね)、この歌詞と映像の世界観から考えるとガラケーが一番マッチしているかなと思いました。

 ただ、気になる記事を見つけて....

アデルの“Hello”のビデオを手掛けた監督、携帯がスマホじゃないという反応に困惑

 アデルの新曲“Hello”のミュージック・ビデオを監督したグザヴィエ・ドランが、この映像に対するアデルのファンの反応に「気が変になる」と述べている。

 これまで2014年公開の映画『マミー』などのインディ作品を手掛けてきた26歳のグザヴィエ・ドランだが、彼は今回のビデオでの折りたたみ式携帯電話の使い方をめぐるツイッターでのファンの反応に困惑している。この映像を観た多くのファンが、何故アデルはスマートフォンを持っていないのかと疑問を投げかけている。

 「気が変になるね」とグザヴィエ・ドランは米『ロサンゼルス・タイムズ』紙に答えている。「ツイッターのGIF画像が目の前にチラついてる。僕としては『みんな、もういいだろ。大したことじゃない』っていう気分さ。でも、本当のことを言うと、今の電話や車を映像に撮るのは好きじゃないんだ。こういうものはあまりに僕たちの日常に入り込み過ぎていて、これらが映画に出てくるとみんな現実に引き戻されるだろ」

 またこう付け加えている。「iPhoneTOYOTAが映画に出てくると、反物語的な働きをするんだ。物語の外へ観客を出してしまう。僕は、iPhoneとか今の車を映画に入れるとコマーシャルを作っているような気持ちになるんだよ」

 グザヴィエ・ドランによれば、このビデオは「非常に非独創的」だという。「歌詞は『こんにちは、私よ』で始まる。その後、誰かの手が電話を取り出す。僕はコンセプトで固めたみたいなビデオをイメージするのが苦手でね。ただ、アデルが家の周りを歩いて電話をかけ、森の中で終わるのがいい。そこに多少のフラッシュバックもアリかなって考えたんだよ」


 この監督さんの「本当のことを言うと、今の電話や車を映像に撮るのは好きじゃないんだ。こういうものはあまりに僕たちの日常に入り込み過ぎていて、これらが映画に出てくるとみんな現実に引き戻されるだろ」という感覚、すごくよく分かります。


 こんな記事もあるんですよ。読んで見て納得です。モヤモヤが消え去りました。↓

 「In 'Hello,' Adele Uses a Flip Phone Because She's Talking to 2005」。

 この記事によると、Adeleの冒頭使っている折りたたみ式の携帯電話はカナダ向けの2007年頃流通したのSamsung SPH-M300。彼女の恋人が使っている携帯電話は、2005〜2006年に流通したMotorola V235だそう。

 ということは、このミュージックビデオは10年前の自分にフラッシュバックしているということでしょうか?

 電話の流通した年代からこの歌詞は過去へ遡っている....ということが分かります。とすれば、携帯から過去の時代のものということを表現したかった....そういうところを監督さんは狙ったのかもしれませんね。