Hamarimono

そのときそのときのマイブームなど。

【まんが世界昔ばなし008】がちょう番の娘

 グリム童話から。


 このお話は、リアルタイムで観た記憶があり、また強烈な印象を受け覚えていました。同じ年、同じ日に生まれた娘2人の運命を描くお話です。登場する女性2人が対照的に描かれています。

 この話を改めてみなおしてみたとき、子供の頃にはまった少女漫画「伯爵令嬢」を思い出しました。作者は「王家の紋章」で有名な細川智栄子氏。19世紀のフランスを舞台にした恋愛物語ですが、登場するアンナという女性が強烈。

 この「がちょう番の娘」の悪魔の祝福を受けた魔女と、その「伯爵令嬢」に登場する陰の主役(?)のアンナのキャラが被るので....なんとなくシンクロしました。

 ただ、いずれにも言えるのは、一見「悪」と思われる主人公のほうが自らの力で人生を変えよう、築こうと努力している一方で、「善」とされる主人公は自らが何もしなくても、天が彼女に味方し、幸せを勝ち取っています(グリム童話の中では、白雪姫シンデレラなどがその類?)。とはいえ、誰かを不幸に陥れることで理想とする幸福を手に入れたとしても、それは長続きせず、いつか「ツケ」を払う結果になるということでしょうか。

 「がちょう番の娘」「白雪姫」「シンデレラ」など、グリム童話の多くは、「悪」とされる登場人物の自業自得な末路が描かれています。グリム兄弟は「人生ってこんなものだけど、悪いことはしてはいけないよ」というメッセージを送るために、あえて残酷とされる物語を描いてきたのかと思いました(あくまでも想像です)。



伯爵令嬢全12巻 完結セット (Hitomi comics)

伯爵令嬢全12巻 完結セット (Hitomi comics)

一度読むとついつい夢中になってしまいます。「がちょう番の娘」や「ベルばら」テイストのお話が好きな人にとっては「面白い」と思える漫画だと思います。