Hamarimono

そのときそのときのマイブームなど。

平成22年度の勤労者世帯の食費内訳(2人以上世帯平均は69,406円、単身世帯平均は43,737円)

 平成21年度の勤労者世帯の1ヶ月の食費内訳を表にまとめ、このブログの記事としてアップしたのは今年の4月のこと

 平成22年度(2010年4月〜2011年3月)版がそろそろ公開されるだろうと、統計局ホームページをチェック。今回も代わり映えしませんが、統計局ホームページの家計調査ページの4項目の詳細結果表の「二人以上の世帯の年次データ」及び「単身世帯の年次データ」のデータを基に食費のみを抽出、一覧表にまとめました。


 まずは、二人以上の勤労者世帯の食費支出内訳です。


二人以上の勤労者世帯の食費支出内訳


 昨年度よりもさらに食費が減っていますが、詳しく見てみると、魚介類の減りが大きくなっています。一方で、調理食品、飲料、野菜が増えました。勤労者世帯二人以上の平均食費は合計69,406円です。

 確か前回も書いたと思いますが、節約記事がメインの奥様雑誌などで「食費2万円、3万円!」といった記事が目に付き、どうしても、そのレベルまで食費を切り詰めることができないと内心「主婦失格」なのではないかと思いがちですが、掲載されている食費の内訳をよく吟味する必要があるかと思います。

 たとえば、「実家が農家なので、米と野菜は実家から送ってもらえる」となれば、食費には「米(2107円)と野菜(7594円)、果物(2039円)」が含まれません。さらに、「酒類は主人の小遣いから」となれば、「酒類(3131円)」も含まれません。そしてさらに、「外食はレジャー費から捻出」となれば、「一般外食(12403円)」も含まれません。合計、27305円が引かれ、食費42101円となります。ですから、何をもって「食費」とするのかは、それぞれの家庭に委ねられることになりますので、節約に関する記事を読む場合は、金額だけではなく、その中身に目を向けたいと思いました。


  • 統計局のデータ上での食費合計(二人以上の勤労世帯平均): ¥69,406
  • 上記から外食・酒類を除いた食費合計: ¥52,287
  • さらに、外食・酒類・米・野菜を除いた食費合計: ¥42,101

 続きまして、勤労世帯でも単身、つまり「ひとり暮らし」の食費支出内訳です。


単身の勤労者世帯の食費支出内訳


 二人以上の世帯に比べれば、大きな変化はないように思います。しかし、外食が減り、一方で穀類・野菜・調理食品・酒類の出費が増えています。おそらく、外食を控え、内食傾向が強くなっているのではないかと思いますが、いかがでしょうか?



 最後に、これまでは「食費」のみをクローズアップして考えてきましたが、支出入全体について考えてみることにしました。併せて、30年前、20年前、10年前と比べた今現在の支出入の移り変わりについても考えてみたいと思います。


1世帯当たり年平均1ヶ月間の収入と支出:二人以上の世帯のうち勤労世帯
縮小表示されています。画像をクリックすると拡大表示されます。


 今から約30年前ということで、1980年当時のデータをまとめ、それをスタートとさせていただきました。

 1980年というと、筆者は小学生。ゆとり教育前で、中学受験はまだまだ珍しい時代。放課後、学校の下校時刻になるまで校庭で遊び、時には担任の先生に分からないところを教えて貰うなど、まだまだ外遊びが当たり前だったように感じます。

 バブル前の経済発展が目覚ましく、男女雇用均等法(1986年〜)前の昭和の時代。任天堂からゲームウォッチが発売され、まだまだ携帯用ゲームが珍しかったとき。山口百恵が引退コンサートを開き、ジョン・レノンが銃弾に倒れ、名曲と言われるクリスタルキングの「大都会」久保田早紀の 「異邦人」がヒットしたもの1980年でした。

 世帯主収入・配偶者の収入共に今現在よりも低い水準となっていますが、意外にも食費の支出は今現在とほぼ同じ金額です。一方で、住居費・保健医療・交通・通信・教育が今の半分の支出。突出して、交通・通信費の延びが目立ちますが、これはおそらくパソコンや携帯電話の普及によるものだと考えます。

 ....いろいろ思うことはありますが、今はモノが溢れ、生活が便利になった代わりに「それに見合うだけの対価(ただし、ここれは金銭だけに限らない???)」を支払っているような気がします。世の中便利になりすぎたとき、手元には何が残るのでしょうか?

 バブル崩壊後の1991年当時は、食費の支出が最も高かった時代です。食費83,051円となっていますが、自分でもどれだけ高級なものを食べていたのか....いまとなっては全く記憶に残っていません。確かバブル経済真っ直中の頃、街頭インタビューをしてみると大半の家庭が「中流です」と答えていたのを覚えているだけに、今に比べ、まだまだモノが売れた時代だったのかもしれません。その証拠に、家事用品・被服・その他消費支出がいまのよりも高いものとなっていました。

 2008年の世界金融恐慌以来、世帯主収入は減り続けており、バブル経済崩壊当時よりも低くなっています。一方で配偶者の収入が増えていますが、世帯主収入の減り幅をカバーするところまでの給与水準にはなっていない....ようにも見えます(あくまでのこの表からですが)。世帯主の年齢も上がっていることから、晩婚化傾向が強くなっているのかな....とも思います。

 あくまでも、これは実際の平均値に過ぎません。しかし、「歴史は語る」ではありませんが、過去のデータから見えてくることは沢山あります。個人個人の価値観がそれぞれ違うように、5つの家庭があれば、5つのライフスタイル、価値観があるのも当然です。ですが、これからは個人個人が「これだけは譲れない」というものを持ち、流され過ぎないよう努力していくことも必要なのでは....と思いました。

 今から10年先がどうなっているのか....それを知るのが楽しみであり、不安でもありますが、少しでも「楽しみ」要素が増えるよう、日々努力あるのみ。